白内障を知る

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40代でも加齢性白内障を治療したほうがいい理由

白内障は、70代のうちにほとんどの人がかかるようになる目の病気です。いつかは誰もがかかる病気だからこそ、早期に治療をしておくことで、病気の進行を気にせず快適な生活を送ることができるようになります。

加齢性白内障は早い人で40代から始まる

加齢性白内障患者の目

 

水晶体は、主にタンパク質と水で構成されています。その水晶体のタンパク質が変性し、白く濁って視力の低下を招くのが白内障です。

タンパク質変性の要因として最も多いのは加齢によるもので、これを「加齢性白内障」といいます。その数は白内障患者さん全体の7割以上を占めています。

加齢性白内障といっても、実はその病名に厳密な定義があるわけではありません。ある程度の年齢(おおむね40歳以上)の人で、ほかに白内障の原因がない場合、自動的に加齢性白内障と診断されているのです。そのため、40代で視力が落ちてきても「白内障は高齢の人がかかる病気」と考えて眼科を受診せず、発見が遅れてしまうといったことも起きています。

 

水晶体が外側から濁ってくるので自覚しにくい

加齢性白内障で発見が遅れてしまう理由は、イメージのせいばかりではありません。濁り方にも原因があります。

加齢性白内障は、水晶体の「皮質」と呼ばれる外側の部分から濁りはじめる、「皮質白内障」になることが多いです。皮質白内障は、黒目の周囲から濁り、だんだん濁りが中心に向かうように進行します。

濁りが中心に及んでいない段階では光は妨げられずに網膜に届くため、視力の低下はあまり見られません。加齢性白内障の場合は患者さん本人がそうと気づかないまま、ゆっくりと進行していることが多いのです。

水晶体の構造

 

見え方の異常に敏感な方は早期発見できる

当院に加齢性白内障と診断される40代~50代の患者さんの多くは、「最近、視力が下がった」という理由で来られ、検査の結果、見つかるというパターンが多くなっています。

そうした患者さんは、事前にインターネットなどで目の病気について知識を得て来られる方が多いので、「自分は白内障ではないか?」という疑いを持って来院されます。自分の目の異常について感度が高く、「白内障は高齢の人がかかる病気」という固定観念に縛られなかった方は、加齢性白内障を早期発見することができます。

60代以降の患者さんの場合、加齢による見え方の変化は白内障だけでなく老視(老眼)などもありますので、目のかすみや眼精疲労を理由に来院される方が多い傾向があります。やはり自分が白内障と思っていない場合も多く、そういった方は来院しないことも多いのではないでしょうか。

一方で、今はテレビの健康情報番組が増えていますが、それを見て「自分の症状に当てはまる」ということで来られる方も増えてきています。こうした方たちは「白内障なのではないか」と予測をつけて来られるので、やはり自分の目の異常について感度の高い方なのだと思います。

 

白内障の手術は早ければ早いほどいい

患者さんたちは、自分が加齢性白内障を発症していると診断されたものの、いざ手術となると、日常的によほど困っていない限り、決断には多少の時間を要するというのが現状です。

しかし、できればなるべく早くに白内障手術を受けていただいたほうがいいと思います。というのも、目の見え方は思っている以上に生活の質に深く関わっているからです。いつも視界がかすんで見えたり、光がまぶしくてたまらないなどの症状に悩まされたまま過ごす日常は、とても不便なものです。

 

白内障の発症率は60代で83%、70代で97%とほぼ100%になります。つまり、80歳を迎える頃には、誰もが白内障になっているのです。

白内障を40代や50代の若さで発症してしまうと、運が悪いと捉えてしまう方が多くいます。しかし、生きている以上、誰も免れることができない白内障を早く発症することは、案外、幸運なことなのではないかと私は思っています。

というのも、水晶体は人工のもので置き換えることのできる数少ない組織の一つであり、手術で濁った水晶体を人工眼内レンズに置き換えることによって、クリアな視界が手に入り、それがほぼ一生続くからです。

早くに白内障が見つかれば、それだけ早期に手術を受けて、クリアな視界の恩恵を享受することができます。手術した目は、白内障の症状がなくなるだけでなく、老視の進行もなくなりますし、眼内レンズによって近視や乱視の矯正もできます。加齢にともなってだんだんと目が悪くなる症状に悩まされることなく、日常を快適に過ごすことができるのです。

 

医師としては、「今するか」「将来するか」の違いだけということに気づき、納得した上で、なるべく早く白内障の手術に臨んでいただければと願わずにはいられません。

それが白内障を発症した患者さんのクオリティライフを高めることになると思うからです。

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