白内障手術が「痛くも怖くもない」のはなぜ？

痛くも怖くもない、「目薬」タイプの麻酔薬

白内障手術では目に局所麻酔を施します。局所麻酔といっても歯医者で使われるような「注射によるもの」ではありません。よく「目に注射針を刺されるなんて想像しただけで怖い」という声を聞きますが、白内障手術における麻酔とは、麻酔薬を目薬のように注す点眼麻酔です。麻酔を使うときも少ししみる程度で、痛みを感じることはありません。点眼した瞬間に麻酔の効果が表れ、術中にも何度か点眼しますので、常に麻酔が効いている状態です。手術前も手術中も痛みを感じることはないので、ご安心ください。麻酔によって眠くなったり、見え方が変わったりなどの支障もないので、帰宅する際の心配もありません。

超短時間で正確な手術を行う最新鋭のレーザー手術

手術はメスによる切開ではなくレーザーを使います。当院で導入しているレーザーメスはフェムトセカンドレーザーを使用した「LenSx（レンズエックス）」というものです。フェムトセカンドとは「1000兆分の1秒」のことで、超短時間のレーザーを連続的に照射することで角膜を切開し、水晶体の前側に丸い穴を開け、水晶体を細かく砕くまでの一連の作業をすべて自動で行うことができます。

従来の白内障手術は、医師がメスを使って角膜を切開し、そこに器具を入れて水晶体の前側に丸い穴を開け、さらに水晶体を別の器具を使って砕く、という作業をすべて手作業で行っていました。それに比べると、LenSxを使った手術では、一連の作業を正確に安全に行うことで、目の負担も大幅に軽減することが可能になりました。医師の手で切る従来の手術に比べ、傷口の治りが早いという点においても安全性の高い手術といえます。

たった10分の手術で「よく見える目」に激変

手術時間の平均は、片目10分、両目で20分ほどになります。したがってほとんどは日帰り手術になります。術後はすぐに目を開けることができますから、手術後、帰宅するときには多くの患者さんが口にされるように「劇的に目の見え方が変わっている」のです。

白内障の手術は、その手法も水晶体の代わりに入れる人工の眼内レンズも驚くほどの進化を遂げています。技術の進化だけでなく、実際に手術を受けた患者さんからは「ずっとためらっていたけど、もっと早く手術すればよかった」という感想をいただきます。こういったことから、白内障手術は「痛くも怖くもない」と断言できるでしょう。