白内障だからこそ眼底検査が大切な理由
白内障の手術前に行なわれる眼底検査。網膜の血管や視神経乳頭の様子を見ることで、白内障以外に病気がないか、白内障手術をしても問題ないかを判断します。白内障があると眼底の様子が観察しづらいので、手術前に検査機器を使ってしっかり検査をすることは、手術を安全に行うためにとても大切になります。
白内障だからこそ眼底検査が必須
眼底とは、眼球内部の後ろの方を指す言葉で、「網膜」「脈絡膜」「視神経乳頭」などを指します。
白内障は水晶体が濁る病気ですので、水晶体とその周辺、いわゆる前眼部だけしっかり検査すればいいと思われるかもしれません。
しかし、目というのは非常に精密な組織なので、一カ所の不具合が別の場所に大きな影響を与え、ほかの不具合を発生させてしまうこともあります。特に、加齢性白内障を発症しやすい年齢になると、眼底の病気にもかかりやすくなっています。すでに眼底の病気を発症していないかを検査し、白内障手術をしても安全かどうかを事前に調べておくことが大切です。
眼底検査で全身の健康状態もわかる
眼底検査では、「網膜に孔が開いていないか」「出血はないか」「皺になっていないか」「膜がないか」など、わずかな異常も見逃さずにチェックします。
眼底はフィルムカメラに例えると、フィルムにあたる場所になります。ここに異常が起こると目がとらえた光を、鮮明な像として映す出すことができません。目が見えづらくなったり、視力が下がったりします。
また網膜には血管が走っていますが、これは人の体の中で唯一、直接見ることができる血管となります。
眼底検査をすることで、眼底疾患だけでなく、糖尿病に伴う血管異常や、高血圧による動脈硬化など、全身疾患の程度をチェックすることができます。
高血圧の方の場合、血管に異常が起こっているので、血管が細くなったり詰まったりしています。フィルム自体に傷があると考えていただくといいでしょう。
糖尿病の合併症としての網膜症も同様になります。
眼底写真とOCTで詳しく検査
眼底検査は眼底カメラで写真を撮影して、大まかな診断をします。もしそこで異変が認められたら、より詳しく診断するためにOCT(光干渉断層計)を使って網膜組織の内部を撮影します。
OCTとは、近赤外線を利用して網膜の断層画像を撮影できる検査機器です。患者さんの体に負担をかけることなく、眼底の断面図を撮影できるため、網膜の状態を診断するのに非常に有用です。
当院では、最新のテクノロジーを搭載した「3次元眼底撮影装置(OCT)『Triton(トリトン)』」を導入しております。最新技術「OCT Angiography(アンギオグラフィー)」によって眼底組織の深部まで高精度の写真を撮影することができます。
眼底検査は、患者さんの体にダメージを与えることなく、短時間で終わります。
安心してお受けください。