白内障を知る

先進医療特約加入の方は必読!保険の違いと白内障手術の種類

白内障の手術には、公的な医療保険が適用されるもの、先進医療特約の対象となるもの、自由診療で行われるもの、の3種類があります。それぞれ使うことのできる眼内レンズも、患者さま自身の費用負担も異なります。

※多焦点眼内レンズによる白内障手術は、2020年3月末をもって先進医療から除外されました。(2019年12月13日、厚生労働省中医協総会決定)
当院は選定療養認定施設(多焦点眼内レンズ)ですので、選定療養を使用した多焦点眼内レンズの白内障手術にご興味のある方はお気軽にご相談ください。

※定期的に開催しているセミナーでもご説明しておりますので、ぜひご参加ください。お申し込みは、こちらからお願いいたします。

保険の違いによる白内障手術の3つの種類

白内障手術は、以下のステップで行います。

1 水晶体を包んでいる嚢に穴を開ける

2 嚢の中にある水晶体を砕いて取り出す

3 人工眼内レンズを挿入する

 

このステップは共通していますが、白内障手術は保険によって次の3種類に分かれ、患者さんの要望に応じて自由に選ぶことができます。

① 健康保険を使った手術

② 医療保険に付帯した先進医療特約の対象となる手術

③ ①にも②にも該当しない、完全な自由診療による手術

 

これらの手術の違いは

・使える眼内レンズの種類

・使用される手術器具

・治療費の支払い方法

の3点にあります。詳しくご説明します。

 

①健康保険による手術

公的な医療保険には、国が運営する「国民健康保険」や組合などが運営する「健康保険(社会保険)」があります。基本的な白内障手術は、この健康保険が適用となります。治療費については、高額療養費制度や自治体による補助金などの制度を活用することができる場合もありますので、詳しくはかかりつけの病院で確認しておきましょう。

 

ただ、健康保険内で行える白内障手術では、単焦点の眼内レンズしか使用することはできません。

単焦点眼内レンズは、遠くか近く、もしくは中間距離しか焦点を合わせることができないため、手術後はメガネの使用が必要となります。

また、単焦点眼内レンズは精度の高い手術がそれほど求められないため、一連の手術をすべて医師の手で行う「マニュアル手術」で行われます。

そのため、医師によって手術の精度にバラつきが出るなどのデメリットがあります。

 

②先進医療特約の対象となる手術

先進医療とは、公的な医療保険のなかで特に先進的とみなされた治療方法について、厚生労働省が定めたものをいいます。治療方法だけでなく、実施できる医療機関も限定されています。また、治療費のうち、診察や入院など健康保険が適用される一般的な治療と同じ範囲であれば健康保険が適用されますが、手術自体は全額負担となります。

白内障手術では、多焦点眼内レンズを使用した治療が先進医療の適用となります。

民間の医療保険に加入し、「先進医療特約」を付帯した人は、治療費のほとんどが保険会社より支給されますので、この手術を選択される方も多いでしょう。ただし、保険のなかには「先進医療特約」に白内障手術を除外しているものもあります。もし白内障手術を検討される場合は、自分が先進医療特約を付帯しているか、その保険に白内障手術が該当しているかどうか、必ず確認したほうがいいでしょう。

 

ただし注意しておきたいのは、先進医療が適用される治療方法は、常に見直されているという点です。多焦点眼内レンズを使用する白内障手術が、健康保険適用となることもあるかもしれませんが、自由診療に戻されることも十分にあります。

もし先進医療特約を付帯しているなら、早めに手術を実施したほうがいいかもしれません。

 

また、多焦点眼内レンズは、高性能なレンズほど挿入する位置のズレが見え方に影響してしまいます。

そのため、確実に高い精度で手術を行える機器、例えばLenSx(レンズエックス)やVerion(ベリオン)、ORA(オラ)などを導入したクリニックで手術を行ったほうがいいでしょう。

 

この手術で使用できる多焦点眼内レンズは、厚生労働省より認可を受けたものに限ります。

当院では、「アイシー」「レストア」「アクティブフォーカス」「テクニスマルチ」「テクニスシンフォニー」と、認可を受けている全てのレンズを扱っております。

 

③自由診療による手術

厚生労働省から認可を受けていない、最新の多焦点眼内レンズを使用したい場合は、手術の全額を自己負担する自由診療が適用されます。

眼内レンズの開発は日進月歩で、次々と新しいレンズが登場しています。

当院では「レンティス」「ファインビジョン」「ミニウェル・レディー」「アクリバ・トリノバ」「レイ・ワン・トリフォーカル」などを扱っています。

もし自分の生活に合ったレンズが自由診療にしかないのであれば、積極的に検討してみることをおすすめします。

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