白内障を知る

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糖尿病性白内障は合併症のリスクが高くなる

糖尿病で血糖値が上がることによって、水晶体に糖の老廃物がたまり、発症する糖尿病性白内障。20~30代という若さで発症することも多く、発症すると進行スピードが速いため、早期に治療をする必要があります。

年齢に関係なく発症する糖尿病性白内障

糖尿病から併発する白内障を、糖尿病性白内障といいます。

糖尿病性白内障は、一般的に発症することの多い白内障である加齢性白内障より進行スピードが速い傾向があります。

その理由は、水晶体の中にソルビトールという糖や糖化タンパクが蓄積しやすいことで、水晶体内の浸透圧が変わり、水分量が増加することによって濁りが生じやすくなるため、と考えられています。

高血糖が続くことが発症の原因となるため年齢はあまり関係なく、20~30代でも発症することがあります。

2種類の糖尿病性白内障はどちらも油断できない

糖尿病性白内障は、1型糖尿病に伴って発症する真性糖尿病性白内障と、加齢性白内障を発症した後に合併する仮性糖尿病性白内障に分けられています。

 

若くても発症しやすい真性糖尿病性白内障

真性糖尿病性白内障は、1型糖尿病に伴って発症するものをいいます。1型糖尿病とは、血糖値をコントロールするインスリンというホルモンを分泌する、すい臓のβ細胞が破壊されることで、血糖値が高まってしまう病気です。原因は生まれつきの自己免疫疾患にあることが多く、治療はインスリン注射が欠かせません。

加齢性白内障は40代から発症しはじめるので、その可能性がほとんどない40歳以下の方で、1型糖尿病を患っていると、真性糖尿病性白内障と診断されます。

 

加齢で白内障を発症してから糖尿病が影響する仮性糖尿病性白内障

糖尿病を発症していても、40代以上のため白内障の原因が加齢によるものなのか、糖尿病によるものなのか判別が難しいものを仮性糖尿病性白内障といいます。

原因が加齢であれば、本来はゆっくりした進行スピードですが、糖尿病を患っていると加齢性白内障の進行スピードも速まる傾向があります。そのため、「仮性」だからといって油断せず、早期の治療を行う必要があります。

糖尿病性白内障の症状

白内障は水晶体の濁りの部位によって以下の4種類に分けることができます。

  • 核白内障
  • 皮質白内障
  • 前嚢下白内障
  • 後嚢下白内障

水晶体の構造

糖尿病性白内障は、皮質白内障か後嚢下白内障となることが多いです。

皮質白内障は、水晶体の周囲から濁っていくので、初期の段階では見え方への影響はそれほど強くありません。

一方、後嚢下白内障は水晶体の膜の後ろ側がまんべんなく濁り、早期から強い見えにくさや、まぶしさを感じます。また、進行スピードも速いため、症状を自覚して2~3カ月後には、激しい視力低下に陥るということもあります。

後嚢下白内障となっている場合は、早期に治療する必要があります。

糖尿病性白内障は合併症のリスクが高まる

糖尿病網膜症の発見や観察を妨げる

糖尿病性白内障の大きなリスクとして、糖尿病網膜症の扱いが難しくなることが挙げられます。

糖尿病網膜症とは、糖尿病に合併する目の病気として糖尿病性白内障よりもよく知られている病気です。

糖尿病になると、網膜に密集している多くの細い血管が血糖値の上昇の影響で詰まったり破れたりしてしまい、網膜に栄養や酸素が行き届かなくなるのですが、この状態になると網膜は新生血管という新しい血管を生み出して、酸素や栄養の不足を補おうとします。ところがこの新生血管はとてももろく、水分がにじみ出たり、破れて出血を起こしたりしてしまうほか、かさぶたのような膜を作り(増殖組織)、この膜が網膜を引っ張って網膜剥離を引き起こしてしまうようになります。ここまで進行すると、失明することもある怖い病気です。

 

糖尿病の患者さんは常に糖尿病網膜症が発症、進行、再発する恐れがあるため、定期的に眼底検査を受け網膜に異常がないか診察を受けなければなりません。

しかし、網膜のある眼底は水晶体の奥にあるため、水晶体が濁っていると網膜が見づらく、網膜症の兆候や進行を観察することが難しくなります。

そのため、白内障の症状が出て来たらすぐに手術をして眼底が見やすい状態にしておく必要があります。

 

医療の進歩で血糖値が高くても手術ができるようになりました

手術では内科の先生と協力して全身状態を見ながら治療方針を決めていきます。

重度の糖尿病患者の方は、免疫力が著しく落ちているため、感染症のリスクが高まることが知られています。手術のための切開創も治りが良くなく、化膿しやすくなる傾向があります。

しかし、白内障手術は進歩を続けており、極小切開術で目への侵襲を抑えることで、血糖値を気にせず手術をすることができるようになりました。もちろん、内科の先生と協力して手術のタイミングを見極めることは重要ですが、以前のように血糖値が下がるまで手術を延期する、ということは必要なくなりました。

 

白内障手術後に糖尿病網膜症が急激に進行するリスクも

ただ、血糖値が高い方は術後の経過に注意が必要です。

血糖値が高い状態で白内障手術をすることで、糖尿病網膜症の症状が一気に進行してしまうことがあります。同じく糖尿病による合併症として知られる糖尿病黄斑浮腫も急激な進行のリスクがあります。

これらの眼底疾患があれば、白内障手術の前にレーザー治療を施したり、ステロイド薬や抗VEGF薬(新生血管の増殖を防ぐ薬)を投薬したりすることで、網膜症や黄斑浮腫の治療を行うこともあります。

 

糖尿病性白内障の治療は、このように合併症のリスクが高くなりますので、眼底もしっかり検査して治療計画を立てることがとても重要になります。

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