レーザー白内障手術の効果をさらに高める「VERION(ベリオン)」と「ORA(オラ)」
1000兆分の1秒という超高速で組織を切断するフェムトセカンドレーザーを、白内障手術に応用したアルコン社の白内障手術機器「LenSx(レンズエックス)」。それだけでも非常に高度な白内障手術を行うことができますが、「VERION(べリオン)」や「ORA(オラ)」といった他の機器と組み合わせることで、より精度の高い手術が可能になります。
綿密な手術プランを提示する「ベリオン」
白内障の手術の効果を最大限に高めるには、適正な切開位置や眼内レンズの挿入位置などに関する綿密なプランを立て、その通りに実施していくことが重要です。
ところが、医師が手で行うマニュアル手術では、どんなに綿密な検査をして手術プランを練っても、切開や眼内レンズを入れる位置は最終的に医師の感覚に頼るほかありません。
そのため、眼内レンズの中心位置がズレてしまうことがあり、見え方がよくなると思って手術に踏み切ったのに、「思ったような結果が得られなかった」ということにつながりかねませんでした。
特に乱視がある場合は、乱視軸に合った角度で眼内レンズを入れないと十分な矯正効果が得られなくなってしまいます。非常に熟練した医師でないとなかなか正確なレンズ挿入は難しいところがあります。
こういった、角膜の歪みの情報や正確な眼内レンズ挿入の位置を計測し、手術中にガイドしてくれるのが、ベリオンという機器です。
測定した乱視軸のデータをベリオンに入れておくと、手術の際にそのデータを分析し、切開創の位置や、乱視軸の表示、眼内レンズの中心位置などを大画面のモニターに映し出して示してくれるのです。
手術の現場で臨機応変に対応するための「オラ」
しかし、手術の場合、どれほどしっかりしたプランを立てたとしても、それは机上のプランにすぎないという側面があるのは否定できません。
実際に手術をしてみたがその通りにならなかった、ということも少なからずあるのです。
例えば白内障の手術と同時に乱視の矯正をする場合、角膜に切開創ができたことで、乱視の軸や度数が変わってしまうことがあるのです。
切開創を作ったことによって、事前予測とは違った状態になることも、なくはありません。
そんなときに臨機応変に対応するのに欠かせないのが、手術中の目の状態を正確に計測する機器類です。
当院では「オラ」という機器を導入して対応しています。
「オラ」は眼内レンズを入れる軸が本当にその場所で正しいのかを測定するだけでなく、改めて角膜の形状を計算し、予定していた眼内レンズが妥当なのか、妥当でないのならばどの眼内レンズを入れるべきなのかという選定までも、手術中に行います。
これによって患者様にとってベストな手術を行うことができるのです。
「ベリオン」も「オラ」も、手術の精度を上げるのに非常に役に立つ機器です。
現在、日本で導入している施設は20~30にとどまるようですが、術後の良好な視力回復を実現するためには、ぜひ導入しているクリニックで手術することをおすすめします。