白内障お悩みQ&A

多焦点眼内レンズは保険適用されますか?

ご相談者様

白内障の手術で、多焦点眼内レンズを挿れたいと思っていますが、高価で躊躇しています。多焦点眼内レンズの費用をカバーしてくれる保険はないのでしょうか?

※こちらは2020年1月現在の記事です。多焦点眼内レンズによる白内障手術は、2020年3月末をもって先進医療から除外されました。(2019年12月13日、厚生労働省中医協総会決定)
※4月以降は、自由診療・選定療養にて診療しております。詳細については、クリニックへお問い合わせください。

  • 白内障手術で挿れる眼内レンズを単焦点眼内レンズにするか、多焦点眼内レンズにするかについては、レンズの持つ機能面を考慮するのが基本だと思います。これについてはお調べになった上で、多焦点眼内レンズをご希望されたのだと思います。機能面の次に、重要視されるファクターのひとつが価格(費用)です。確かに、機能的には多焦点眼内レンズはすばらしいですが、費用を調べられて今回のご質問をいただいたのでしょう。

  • ええ、驚いたんです。単焦点眼内レンズは健康保険や国民健康保険などの医療保険の適用になるから、加入している保険によって1割~3割を窓口に払えば良いんですよね。

  • ええ、1割負担の場合は1万2000円程度、3割負担でも3万6000円ほどになります。しかし、多焦点眼内レンズは保険が適用されない、つまり利かないんですね。いわゆる自由診療となり、全額自己負担になります。医療施設によって多少違うのですが、100万円前後かかります。

  • しかしネットで調べると、生命保険会社などで多焦点眼内レンズを補償してくれる保険があるようなことが書いてあります。でも、その説明が難しくてよくわからないのです。先進医療の特約をしていれば保険でカバーされる、いや特約に入っていてもカバーされない保険も少なからずある、とか。

  • 民間保険会社の先進医療特約のことですね。生命保険や医療保険加入時にオプショナルで付ける契約です。たいていは月額数百円と安価です。ここでいう先進医療とは厚生労働省が「先進医療」として認定された医療技術を言います。
    保険適用になっていない未承認の医療機器や医薬品で有望なものについて、臨床の場で提供しつつ様子を見て評価をしよう、という制度的な「場」という役割もあります。
    そのため日本では、原則禁じられている混合診療を例外的に認め、検査費用、入院費用など既存治療と共通する部分を保険適用にして、先端的な部分は自己負担にしています。すると、医療側は全額自己負担より安価に医療技術を提供でき、患者さんは享受することができるのですね。白内障手術では「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」がそれに該当します。平成20年に認定されました。これを用いた場合、費用は当院ではおよそ70万円ほどになります。

  • そういうことですか。なんとなくわかってきました。でも、先進医療特約に入っていても補償されない場合がある、というのはどういうことですか?

  • 先進医療は100近くもあって、認定期間が終了したりして変動しています。保険会社によって、そのうちのどれが特約の対象になるか、保険の加入時期や細かい規定によって違うこともあるのですね。ですから、ご自身が加入されている先進医療特約に、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術が入っているのかを保険会社に確認したほうがいいですね。仮にクリアになれば、先端的な医療にかかった費用が補償され、戻ってきます。

  • わかりました。確認します。

  • ただし、ひとつご注意いただきたいのは、昨年(令和元年)の12月に厚生労働省の先進医療会議にて、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」は、2020年3月をもって先進医療から除外されることが決定しています。この特約を利用して多焦点レンズを挿れることを希望される場合は、期間内に手術を受けられるようお急ぎいただかなければなりません。またこの手術はどの医療機関でもよい、というわけではなく、先進医療の特約の対象となっている医療機関のみで受けることができます。当院も対象機関ですので、ぜひご検討ください。

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