白内障お悩みQ&A

白内障を放置すると緑内障になることがあると聞きました。どうしてですか?

ご相談者様

先日、白内障について調べていると「白内障が進行すると緑内障まで発症することがある」という情報を発見しました。これは本当ですか? また、緑内障は日本人の失明原因の1位だという話も聞いてとても心配になっています。私はずっと白内障の手術を先延ばしにしているので…。

  • 白内障が緑内障の原因になることもある、というのは事実です。緑内障の90%以上は原因不明なのですが、白内障で発症したり悪化したりする「閉塞隅角(へいそくぐうかく)」という緑内障があるのです。しかしこれは白内障手術で治すことができますので、ご安心ください。
    そもそも緑内障とは、なんらかの影響で目の神経がダメージを受け続け、視野が狭くなり欠けてしまう病気です。ダメージを与えるものとしては、主に眼圧が異常に高くなることが挙げられます。
    では、なぜ眼圧が高くなってしまうのでしょうか。
    目の中には、「房水(ぼうすい)」とよばれる液体があります。房水は目の中を循環して、栄養素や酸素を運んだり、眼球の形を保ったりする働きをしています。この「眼球の形を保つ」ものこそが「眼圧」です。「閉塞隅角」は、房水の排出口である「隅角」が詰まったり狭くなったりすることで発症します。房水の循環がうまく行かず、目の中に溜まって、目を内側から圧迫するようになるのです。これが「眼圧が高い」状態です。

  • 閉塞隅角は白内障が原因で発症したり悪化したりするとのことですが、白内障が房水の排出口をふさいでしまう…ということなのでしょうか? 白内障は「水晶体が濁る」病気だと聞いているのですが…。

  • たしかに白内障は水晶体が濁る病気ですが、加齢性の白内障の場合はそれだけではありません。水晶体が「硬く」なる、「大きく」なる、という現象もあります。硬くなると老眼の症状が出ます。大きくなると房水の排出口である隅角を圧迫するので、排出が停滞してしまうのです。白内障が原因で閉塞隅角緑内障を発症するのは、このためですね。
    それほど進行していなければ白内障手術が有効です。変化の生じた水晶体を、薄くて小さな眼内レンズに置き換えるため、視神経(目の神経)にダメージを与えている原因も取り除かれることになり、緑内障も治癒します。
    水晶体の肥大化が進み、隅角が完全に閉塞されてしまうと、急性緑内障発作を起こします。急激に眼圧が上昇してしまい、失明するリスクがあるため、緊急の手術が必要になります。

  • そうですか、怖いですね! 緑内障は早期発見が大事ということですね。初期の緑内障の「周辺視野が狭くなる」という特徴的な症状に対しては、気が付かない場合が多いそうですが、眼圧検査の数値は目安になりますか。

  • いい目安になります。ただし、眼圧が高いからといって一概に悪いというわけではありません。眼圧が高くても罹患していない方はたくさんいらっしゃいますし、個人によって「適切な眼圧」が異なるのです。その方にとって眼圧の数値の「どこまでが正常」で、「どこからが異常」か、あるいは「危険水域」か、というのを見極めることが大切です。
    多忙な方々の中には、眼圧を定期的に計ることにわずらわしさを感じる方が結構いらっしゃいます。白内障そのものは誰でもなる病気ですので、「早めに白内障手術を受けて、緑内障の不安も同時に解消してしまおう」と考える方も少なくありません。

  • なるほど、その気持ちはわかります。今日のお話を参考に、私も手術を前向きに検討したいと思います。

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