最適なレンズ度数を術中に分析してくれるORA(オラ)について
白内障手術を高精度に行うための手術システム「The Cataract Refractive Suite」。複数の機器を連動させることで、切開位置から眼内レンズの固定位置まで、最適なガイドをして手術する医師をサポートしてくれます。
その中で、術中の目の状態をリアルタイムで計測して、適正なレンズ度数やレンズの固定位置をガイドしてくれるのが、ORAシステム(以下、オラと表記)です。今回はこのオラについて紹介いたします。
オラが解決した、白内障手術における二つの問題
オラが登場した背景には、白内障手術でなかなか解決できない二つの問題がありました。
手術前に計算した度数とズレてしまう
一つは、術前の検査で導き出された眼内レンズ度数にズレが生じ、術後の見え方が思うように出ないことがある問題です。ほとんどの場合は、検査によって得られた数値に適切な計算式を当てはめることで、最適な度数が導き出されます。しかし、角膜のカーブや目の長さが平均から大きくはみ出ていたり、不正乱視があったりすることで、この計算にズレが生じてしまうことがありました。また、レーシック手術を行った目は角膜のカーブが平均からかなり変化しているので、特別な計算式が必要なため、思うような手術結果は得られませんでした。
手術中に屈折率が変化してしまう
もう一つの問題は、手術中に屈折率が変化してしまうことです。角膜の切開位置によって屈折率は変わってしまいますし、水晶体の中身を取り除いた後にも変化します。また手術の推移は必ず一定というわけではありませんから、その分、手術ごとに屈折率の変化には差が出てしまいます。それらの変化は微々たるものであるため、単焦点眼内レンズを使用した手術で大きな問題とはなりません。しかし、高精度の多焦点眼内レンズや乱視矯正レンズを使用する場合には、小さな差異が見え方に影響してしまいます。
これらの問題について、オラは手術中に目の屈折率を再計測することで、高い精度で解決します。
さらにオラが優れているのは、オンラインで世界中の手術データとリンクしており、常に計測変数を最適化・アップデートしているので、最新のデータで計算をしてくれることです。
高い手術結果を求めるなら、なくてはならない機器
平均とは異なる数値の目を手術する場合や、高度な多焦点眼内レンズを使用する場合、オラはなくてはならない手術機器と言えるでしょう。
逆に、平均的な目を手術する際でも、手術前の検査と同じ結果になるかを試すことができるので、安心して手術を進めることができ便利です。
オラは、LenSx(レンズエックス)やVerion(ベリオン)など、「The Cataract Refractive Suite」の他の機器と連動して手術をサポートしてくれる、とても重要な手術機器の一つです。
当院では患者さまの満足度をさらにアップするため導入し、ご好評いただいています。