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白内障お悩みQ&A

白内障手術をすると認知症を予防できるって本当ですか?

ご相談者様

白内障手術は認知症の予防策にもなるって本当ですか? よく、人の脳に入ってくる情報の80%は視覚から得られていると言われますよね。その話に絡めて、「白内障手術をするとよく見えるようになるので、認知症の予防になるという調査結果が出ている」と、とあるクリニックのホームページに書いてあったんです。

  • そのお話は白内障の患者さんにとっても、専門医にとっても実に興味深いですよね。白内障と認知症の関連性を調べた調査としては、白内障手術を受けた55~93歳の88人を対象とした筑波大学の調査が有名です。また、約3000人の高齢者を対象に視力と認知機能の関連性を調べた奈良県立医科大学の大規模疫学調査も知られています。ご覧になったクリニックの記事は、おそらくこのような調査報告を元にしているのではないでしょうか。

  • 少し大げさに言っているんだろうな…と思っていたのに、実際にそんなりっぱな調査があったんですね。具体的にはどんな調査だったんですか?

  • 簡単にご紹介すると、筑波大学の調査は、白内障手術前と手術2ヵ月後に認知機能テストをしたところ、術後はテストの得点が上がったというものです。奈良県立医科大学の調査は、視力のいい人は、視力の悪い人に比べて認知機能を高く保つことができるというものです。

  • それでは、とあるクリニックのホームページに書いてあったように、白内障手術でよく見えるようになれば認知症の予防になるというのは、嘘ではないということですか?

  • そうですね。筑波大学の報告は、白内障手術がもたらす認知機能の改善効果について肯定的です。私も臨床医として、白内障手術が認知症を予防するとまでは言えなくとも、認知機能を改善する可能性はかなりあるのではないか、と思っています。手術後に会話のやりとりが格段にスムーズになって、日常のことをお聞きするとすらすらとお話ししてくれる患者さんなども実際にいらっしゃいますから。

  • それは重みのあるお話ですね。だとすると、医学上ではどういった見方ができそうでしょうか?

  • そうですね。白内障が進行して見えにくくなると、脳に届く情報量も全体的に低下します。その分、脳の活動も弱まるのではないかと考えられます。次に、見えにくくなることで家族や知人とのコミュニケーションが減ると、脳の活動が減少し、認知機能の低下につながる可能性が考えられます。また、よく見えているときは、目から取り入れた光を、目の奥にある網膜まで十分に届けることができます。すると視覚神経が刺激されて、脳の下垂体などから分泌されるホルモンがほどよくコントロールされるので、体内時計が正常に働きます。しかし白内障が進行して網膜に届く光が少なくなると、ホルモンの分泌が低下して体内時計がズレてしまい、睡眠障害や生活リズムの乱れが生じます。結果として、認知機能の低下につながる可能性も考えられるでしょう。白内障手術によって認知症が改善したように見えるのは、このような副次的な作用が関係しているものと考えられます。

  • なるほど、どれも信憑性があってとても興味深いです! また白内障手術への期待が高まってきました。

監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。

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