拡大  標準 

白内障お悩みQ&A

50代で白内障になりました。「若いからまだ手術しなくて大丈夫」って本当ですか?

ご相談者様

つい先日、白内障と診断されました。いま50代なのですが、その医師からは「若いから、急いで手術をする必要はない」と言われています。思いがけない診断結果だったので、手術はまだいらないと聞いて正直ホッとしました。でも、白内障を完治させる方法は手術しかなくて、薬やサプリはあくまで進行を遅らせる手段でしかないんですよね。このまま手術を先延ばしにして本当に大丈夫なのでしょうか?

  • 同じ「白内障」と呼ばれるものでも、なかには進行が早く、治療を急がなければならないタイプがあります。たとえば目のケガや、アトピーや糖尿病などが原因の白内障ですね。ご相談者さまの状況から推測しますと、そういったタイプの白内障ではなく、歳をとるにつれ誰もがなる「加齢性白内障」の診断を受けたうえで、今回のご相談にいらっしゃったのではないでしょうか。加齢性白内障であることを前提にお話ししますと、手術を先延ばしにしても特に問題ない場合と、先延ばしではもったいない場合があります。

  • そうなんですか。手術の先延ばしについては、やはり若干の不安が残ります。ぜひ教えてください。

  • まず「まだ手術は必要ない」という判断が示されたのは、2つの理由があると思われます。ひとつは白内障が初期段階で、それほど症状が現れていない場合。もうひとつは、眼内レンズの選択肢の幅が狭かったり、最新のレンズを取り扱ってなかったりして、若い方に最適なレンズをご用意できない場合です。

  • 確かにまだ困るような症状は出ていません。手術は先送りする予定でしたが、眼内レンズについては簡単に教えてもらっていて、そのときは保険適応の単焦点眼内レンズを希望しました。

  • そうなのですね。患者さんご自身がそれほど症状が出ていないと感じているようでしたら、手術を先延ばしにするという考え方もないわけではありません。とはいえ、あまり自覚していなくても、お仕事や趣味などのライフスタイルによっては「まぶしい」「かすんで見える」「ぼやける」などの症状がたまたま気にならないだけ、ということもあります。仕事が変わったり新しい趣味を始めたりした途端に、急に不便に感じるようになったケースも珍しくありません。

  • それは大いに考えられますね。たとえばよく運転をするようになった、PCを使うようになった、裁縫など細かい手作業を行うようになった…などでしょうか。不便さに気づくきっかけは意外と多そうです。

  • そうなのです。ですから「手術するのはもっと年をとってから…」と考えていても、日常生活で不便を感じるようになったら頭を切り替えて、手術を考えるほうが良いでしょう。見えづらさを我慢し続けるより、手術をして若いときの見え方を取り戻したほうが格段にラクですよ。

  • やはりそうですよね…。

  • 次に、手術を先延ばしするときのもうひとつの理由について見ていきましょう。眼内レンズの選択肢の幅が狭かったり、最新のレンズを取り扱ってなかったりして、若い方に適さない場合です。ここでは主に「焦点の数」に着目してご説明しましょう。一昔前の白内障手術では、1ヵ所にしか焦点の合わない「単焦点眼内レンズ」を使うのが主流でした。先ほど、単焦点眼内レンズを希望したとおしゃっていましたが、単焦点ではピントが「近く」か「遠く」にしか合いません。老眼のない方や、それほど進んでいない方の肉眼は、ピントを自在に調整する力があります。単焦点を入れると、どちらか一方の距離を見るときには、メガネなどで補正しなくてはいけません。若い人にとっては、むしろ老眼と同じ状態になってしまうのですね。白内障による見えづらさは解消されても、突然ピントの調節力を失うわけですから、むしろ不便に感じてしまうでしょう。
    もともと老眼が進んでいて、手術後もメガネをかける生活を前提としている患者さんであれば、単焦点でも特に不満は感じないかもしれません。「若いから、手術は急がなくていい」というのも、老眼が進んで肉眼のピント調節力が弱くなってから手術したほうが、単焦点のデメリットもそれほど気にならないはずだという理屈です。

  • なるほど。でも現在なら、単焦点ではない「若い人に合う眼内レンズ」があるのですね。

  • はい。ここ5~6年間のうちに、たくさんの距離にピントが合う「多焦点眼内レンズ」が進化し、若いうちにすぐ手術を受けるケースも増えてきました。多焦点であれば、老眼に限らず近視や遠視、乱視までも治すことができるので、手術後はメガネがいらなくなる患者さんが大勢いらっしゃいます。早期に手術をして快適な目を手に入れたほうが、生活の質を向上させるという点からもメリットが大きいといえるのではないでしょうか。

  • 白内障手術の状況が大きく変わって、先延ばしにする理由はほとんどなくなっているのですね。確かに先延ばししてはもったいない時代なのかもしれません。

監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。

pagetop
草加本院
銀座院
かわぐち蕨院
上尾院
福島院