白内障お悩みQ&A

白内障を放置すると、失明してしまいますか?

ご相談者様

70代後半の母が白内障と診断されました。「できるなら手術は受けたくない」と言っているのですが、放置しておいて進行すると失明することがあるのでしょうか?

  • 必ず失明するというわけではありませんが、そのリスクはゼロではありません。2007年の厚生労働省調査によると、国内における失明原因のうち白内障の割合は3.2%ですが、世界的に見ると、その割合は51%になります。末期まで放っておくと、目の中の水晶体が溶け出して炎症を起こし、最悪の場合は失明する可能性があります。

  • えっ、世界では失明原因の半数以上が白内障なのですか。世界と日本では、なぜそんなに差があるのですか?

  • 経済格差と医療格差と言ってよいかと思います。2019年10月の「World Sight Day」(世界視力デー)に先立って行われたWHOの発表によれば、失明につながる視力障害や眼疾患は広く蔓延しているにも関わらず、未治療のまま放置されていることが少なくない、低所得者などに多い傾向がある、としています。白内障手術を受ければ回避できたはずの失明や視力障害に6500万人が苦しんでいる、とも言っています。

  • 白内障で失明することはないんじゃないかな、となんとなく思っていたのですが、そんなことはないのですね。

  • 白内障単独で失明に至るのは、水晶体の濁りがかなり進行して、家族が見ても白く混濁している様子がわかるような場合です。検査で目の前にかざした手が見えなかったというケースがありますが、現状ではそこに至る前に発見されて、治療を行うのが普通です。ただし、白内障に起因する合併症によって起こる失明もあり、注意を要します。

  • 白内障を放置すると、そんな合併症が起こるリスクも高まるのですか?

  • ええ、典型的なのが急性の緑内障です。白内障は濁りとあわせて、徐々に水晶体の硬化と肥厚も起こります。硬く大きくなるということです。すると、血液の代わりに眼球の隅々に栄養を届ける房水という液体の循環・排水ルートが狭くなり、眼球内部の圧力が高まり、網膜の背後にある視神経が圧迫されてダメージを受けます。それが緑内障で、国内の失明原因1位の疾患です。
    その房水の循環・排水異常が急速に起こり、緑内障が一気に進行することがあります。すると、一夜にして失明することもあり、一刻も早く手術をしなければなりません。白内障を放置すれば、水晶体の硬化・肥大もその分進みますから、急性緑内障のリスク、すなわち失明のリスクも高まっていく、と言えます。
    また、白内障が進行すると、診察や検査でも網膜の異常を診断することが難しいため、気付かないうちに網膜剥離や眼底出血が悪化してしまい、失明に至ることもあります。

  • 白内障は、国内では直接失明の原因につながることは少ないけど、間接的というか2次的に失明原因となることがあるということですね。

  • そうです。なにより失明以前に、視力の著しい低下により、日常生活に支障をきたすようになります。高齢者では転倒の原因にもなります。白内障を放置しておくことは、このQOLの低下に直結しているので、手術をすれば治る疾患であることをお母様にお伝えください。
    白内障は自覚がない場合もあり、ただの老眼だと思っても、眼科で観てもらったら 白内障だったというケースは多々あります。最近見えにくくなったなど、少しでも異変を感じたら最寄りの眼科へ受診に行きましょう。

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