友⼈に多焦点眼内レンズをすすめられましたが、種類が多すぎて…。違いは何ですか?
ご相談者様
近いうちに白内障手術を受けたいと思っています。昨年、友人が多焦点レンズを入れて格段に見え方がよくなったというので、自分も多焦点にしたいのですが、ちょっとネットで調べてみたらいろいろ出てきてびっくり。何を基準に選んだらよいのでしょうか。
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たくさん種類があり圧倒されるかと思いますが、基本は3種類なので、難しく考えないでくださいね。
1つめは、近くと遠くにピントが合うよう設計された「2焦点眼内レンズ」。2つめは近くと遠くに加え、中間にもピントが合わせられる「3焦点眼内レンズ」。そして3つめは、中間から遠方にかけて見えやすく設計された「焦点深度拡張型レンズ(EDOF)」です。 -
なるほど、まずはこの3つを覚えておけばいいのですね。
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はい。
ただ、同じ2焦点、3焦点、EDOFでも、製品によって見え方の特徴があります。
たとえば2焦点レンズの場合、近くに合うピントの距離が30cm、40 cm、50 cm…と製品によって違いがあります。そのほか、コントラストの強弱や、にじみの多少など、距離以外にもさまざまな特徴があります。
また最近では、3焦点やEDOFのほうがより質の高い見え方が可能となることから、2焦点を選択される方は減少しています。 -
そうなのですね。私はドライブが趣味なのですが…。
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そのような場合、夜間に運転する可能性もあることを考えれば、対向車のヘッドライトや街灯など、外から入る光でまぶしくならないことが、快適な見え方の条件の一つになると思います。多焦点レンズは多少、ハロー・グレアといって光のにじみやぎらつきが出る場合もあるのですが、レンズにもよりますので、運転好きな方にはハロー・グレアの出にくいレンズが選択肢になるでしょう。
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なるほど…。こうしてお話を伺うと、選ぶ観点がよくわかるのですが、いざ自分に合ったものを選ぶとなると、迷ってしまいそうです。
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ご自身でレンズを決めなければいけないのかと不安に思っていますか? そうであれば心配無用です。それぞれのレンズの特徴を一番よく知っているのは医師ですので、今のように趣味や日常生活の様子などをお聞きしたうえで、たくさんある中から最適な眼内レンズを提案し、患者さんと一緒に決めていきます。
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それなら安心です!
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眼内レンズは基本的に、一度入れたらよほどのことがない限り、入れ替えることはありません。医療機関によって扱っているレンズの種類には差があり、中には「この場合はこれ」と指定し選ぶ余地がないところもあるのが実情です。できるだけ多くの種類のレンズを扱っていて、各レンズの特徴を熟知している医師のもとで受けるほうが、後悔なく満足度が高いと思います。