フェイキックIOL(ICL/眼内コンタクトレンズ)を入れていても白内障手術は可能ですか?
ご相談者様
長い間コンタクトレンズで近視の矯正してきましたが、レーシックの手術を受けた友人から、面倒な管理も要らずとても楽だと聞き、私もレーシック手術を受けようと思い眼科を受診しました。ところが、角膜の厚さが不足して不適応だということで、代わりに目の中にレンズを入れる「フェイキックIOL(ICL/眼内レンズ)」を教えてもらい、手術を前向きに検討しています。
ひとつ心配なのが、後年、白内障で手術が必要になった場合です。すでに眼の中にレンズが入っている状態ですから、後から白内障手術を受けることが出来るのでしょうか。教えて下さい。
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近視や遠視、乱視などの屈折異常は、メガネやコンタクトレンズで矯正するのが一般的ですが、外科的治療として1999年ごろからレーシック手術が普及し始めました。その後2010年に承認されたフェイキックIOL(ICL)〔有水晶体眼内レンズ挿入術〕も新たな選択肢として加わりました。これはレンズを目の中の黒目(虹彩)の裏側、虹彩と水晶体との間の「後房」と呼ぶ位置に固定します。
この矯正方法には眼内コンタクトレンズの別称があります。通常のコンタクトレンズは目の表面の角膜にレンズを乗せるのに対し、フェイキックIOLでは、目の中にソフトコンタクトレンズのような柔らかい素材のレンズを入れることから付いた別称です。患者さん自身の水晶体は残して眼内にレンズを入れるので、水晶体による調節機能が温存されるため、遠くのみならず近くにもピントが合うという特徴があります。 -
どういった人が、この方法を選ぶのですか?
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フェイキックIOL(ICL)手術を受ける方は、強度の近視や乱視、そしてあなたのように角膜が薄いなど、レーシック不適応の方が多いです。眼内に入れたレンズは長期間に渡り透明な状態を維持できますので、白内障手術が必要になる年齢になるまで入れたままで支障はありません。特別の管理もメンテナンスも要らないことから、一生使えるコンタクトレンズ、永久コンタクトレンズのようなものという人もいます。
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後年、白内障手術が必要になった場合はどうなりますか?
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フェイキックIOL(ICL)を受けた方に白内障が生じた場合、白内障手術時に、同時にフェイキックIOL(ICL)を取り出すことで、通常通りの手術が可能です。フェイキックIOL(ICL)は柔らかい素材なので、簡単に取り出すことができます。
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フェイキックIOL(ICL)を受けた人は白内障手術を受けることができずに、ぼやけて見える、モノが二重に見える、まぶしいなどの白内障の症状を一生抱えて過ごさなければならないのでは? と一抹の不安を持っていたので、お聞きして安心しました。
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それは良かったです。安心してフェイキックIOL(ICL)手術をお受けください。