糖尿病だと白内障手術が受けられない?
ご相談者様
私は50代で、糖尿病です。糖尿病があると血糖値が高いため、白内障の手術は受けられないと聞きましたが本当でしょうか?
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確かに、重度の糖尿病を患っている方ですと、免疫力が低下しています。たとえ安全な日帰り手術であっても、切開創の治りが遅い・化膿する・傷口から感染する等のリスクがありました。しかし、白内障手術は日々進歩しています。アイケアクリニックでは、わずか2.4mmの極小の切開のみで手術を行うため、血糖値の高い方でも感染症のリスクを抑えて、安全に手術が受けられるようになりました。
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糖尿病があっても、白内障手術ができるんですね。
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はい。低侵襲で、安全な日帰り手術が可能です。しかし、血糖値が高い状態で手術を行うと、糖尿病網膜症の症状が進行する可能性がありますので、血糖値が高い方は術前の網膜症の評価や術後の経過観察が重要です。
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糖尿病の合併症である、糖尿病網膜症や糖尿病黄斑浮腫が進行するというのは怖いですね。
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網膜症の症状が進行している場合、目の状態にもよりますが、レーザー治療やステロイド薬、抗VEGF薬を投与する治療を先に行ってから、白内障手術へとすすめることもあります。
糖尿病性白内障の場合は、しっかりと事前に検査をして、合併症のリスクに備えた治療計画を立てていくことが大切です。 -
白内障は加齢とともに進行していく病気かと思いますが、私はまだ若いのですぐに手術を受ける必要はないですか?
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一般的な白内障は加齢によって発症し、進行スピードも緩やかな傾向があります。生活に支障がなければ、すぐにでも手術を受ける必要はありません。ですが、糖尿病を患っている方が白内障を発症した場合、若い方でも進行スピードは速まる傾向にあります。
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なるほど。今は特に症状が現れていなくても、急に白内障の症状が悪化することがあるということですね。
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はい。さらに、白内障は水晶体と呼ばれる、目の前方にあるレンズが濁ってしまう病気です。先ほども触れました糖尿病網膜症は、目の奥の網膜の病気ですので、白内障で水晶体が濁っていると、網膜の状態をうまく観察することができずに、糖尿病網膜症が進行してしまう危険があります。
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糖尿病網膜症といえば、失明の恐れがある怖い病気ですよね。
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はい。網膜に、出血したり膜が張ってしまうと、そこから網膜剥離を起こしてしまう恐れがあります。糖尿病を患っている方ですと、血糖値の上昇で毛細血管が破れたり詰まったりするため、網膜剥離を起こすリスクが上がります。網膜剥離を起こすと失明することもあるため、糖尿病網膜症は定期的に眼底検査を受けて、進行しているか・異常が無いか等を観察することが大切です。
正確な眼底検査を行うためにも、水晶体の濁りを取り除いておくことが必要となるのです。 -
なるほど。糖尿病網膜症の眼底検査で、正しく検査を行うためにも白内障手術が必要なのですね。
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はい。白内障手術は、現在では年間140万件以上実施され、手術法が確立されており、事前にしっかりと検査を行い、手術計画を立てられていれば安全に行える日帰り手術です。白内障と聞くとご高齢の方の病気と思われがちですが、糖尿病性白内障は若い世代でも発症しますし、進行スピードも加齢による白内障と比べて、進行が早い傾向があります。糖尿病性白内障と診断されたら、眼科で治療計画を立てて必要な手術を行いましょう。アイケアクリニックでは、しっかりと症状をお伺いした上で、合併症のリスクに備えて綿密な治療計画を作成しています。最新の医療機器を導入して、さまざまな難症例にも対応できる設備を整えておりますので、安心して手術が受けられますよ。
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糖尿病性白内障や糖尿病の合併症について詳しく知ることができました。ありがとうございました。