30代ですが白内障になりました。周囲の人は「カラコンのせいだろう」というのですが…
ご相談者様
まだ30代ですが、白内障になってしまいました。高齢の方がなる病気だと思っていたのでショックです。周囲の人には「カラーコンタクトのせいじゃないか」と言われてしまいました。本当にそうなのでしょうか? もう「カラコン」はつけないほうがよいのでしょうか。
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「カラーコンタクト=目に悪いもの」というイメージがあるせいですね。でもご安心ください。専門家から、カラコンの使用が白内障の原因となった、というきちんとした報告は上がっていません。安心してご使用いただけるカラコンもあります。
白内障のほとんどは加齢によるものすが、それ以外にも糖尿病、アトピー性皮膚炎、目のけが、ステロイド薬の長期間使用、「ぶどう膜炎」という目の病気など、原因は様々です。先天性の白内障もありますから、若年の方や子どもでもかかります。
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白内障の原因はカラコンではないのですね、ほっとしました。
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カラコンは、視力を改善しつつ、黒目の色や大きさを変えておしゃれを楽しめる、とても便利なアイテムですよね。
ただ、カラコンが目のトラブルを起こすことが多いのも事実です。2012年の日本コンタクトレンズ学会によるカラコンの障害調査によると、充血や疼痛、異物感があると答えた方が多くいました。また、使用者本人に自覚がなくても、眼科医が調べてみたら感染症や炎症が見つかる場合もあります。これらの異常は、酸素が通りにくい製品を使用したことや、カラコンの着色料が流出して、目がダメージを受けたことにより生じた症状です。カラコンでおしゃれを楽しむには、「安全な製品」を選ぶことが不可欠です。
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でもトラブルが起こしそうなカラコンなんて、私たち一般人は事前にわからないことが多いですよね。どうしたらチェックできますか?
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誰もができる方法として、まずは入手先があります。先程挙げた学会調査によると、トラブルを起こしたカラコンは、インターネット販売または通信販売、また大型ディスカウントショップや雑貨店・化粧品店で購入されていることが多いようです。実は身近で安価な製品には、酸素の透過率が著しく悪いものが多くあります。また、店先では「6ヵ月から1年使用できる」と謳われていたのに、製品の説明書をよく読むと「1ヵ月で交換してください」と書かれていた…なんてこともあります。細かいところまでは読まない人も結構いるので、誤用や目のトラブルに繋がっているのですね。
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私もよくネット販売で購入しています。でも全部が全部、悪い製品というわけではないですよね?
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もちろんです。そういったところで購入するときは、「サンドイッチ製法」と「1Dayタイプ」、この2つを兼ね備えた製品を選ぶとよいでしょう。
「サンドイッチ製法」とは、着色料をレンズの素材どうしで挟んで作る方法です。これなら色素が目に直接触れる心配がありません。また「1Dayタイプ」なら1日で使い捨てるので、安全かつ清潔な状態で使用できます。数日間、数回以上使えるカラコンのほうがお得と思うかもしれませんが、消毒が不十分だったり、ゴミが入って目を傷つけたりする可能性があります。
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つい安価なもの、ネットで入手できるものに目が行って、安全・安心という点についてはおろそかになっていました。カラコンのせいで白内障になったわけではないにせよ、改めないと何らかの目のトラブルを引き起こしそうですね。
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安全に使うための一番のポイントは「眼科を受診すること」です。ご自分の目の状態を知ったうえで、最適な製品を選べば、怖いトラブルを防ぐことができます。初めて装着するときはまず受診していただき、その後も定期的に眼科へ通うとよいでしょう。カラコンでおしゃれを楽しみつつ、クリアな視界を保っていきたいですね。