すでに手術済の人でも使えて、メガネが不要になる眼内レンズがあると聞きました。
ご相談者様
以前、単焦点レンズを入れたのですが、遠くを見るときにメガネをかけるのが煩わしくなってきました。白内障手術後の近視・遠視・乱視すべてを治すことができる眼内レンズがあると聞き、詳しく知りたいのですが…。
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もともと近視のある方が単焦点レンズを選ぶ場合、多くの方は日常生活でよく見る近距離にピントを合わせて、遠距離のものを見るときはメガネを使うというパターンをお選びになります。でも、できれば遠くも近くもメガネなしで見えるほうが便利ですよね。
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そうなんです。今からでもレンズを入れ替えることはできるのでしょうか。
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一度入れた眼内レンズを入れ替えることは可能です。しかし、手術してから時間が経ってしまっている場合、レンズを取り出すことが難しい場合もあります。そういう場合は、「手術済の人でも使えて、メガネが不要になる可能性のある眼内レンズ」として、すでに入っているレンズの上に重ねるタイプを選択することが可能です。
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そうなんですね! どのようなレンズなのですか?
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すでに眼内レンズが入っている人で、裸眼の見え方をよくしたいニーズに合わせ、さまざまなタイプが開発されています。ご相談のように、近くに加えて遠くも見やすくするもの、逆に、遠くが見えている人に対し近くも見えるようにするもの、また、乱視を矯正するものもあります。これらを総称して、上に重ねるという意味の英語で「アドオンレンズ」といいます。
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アドオンレンズも、手術で入れるのですか?
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はい。アドオンレンズは今入っているレンズの上、虹彩の下に挿入します。手術時間は通常10~15分程度で手術は終わり、直後から見え方が変わります。
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そんなに短時間で手術が終わるなんて、魅力的ですね!
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万一、満足のいく見え方でなかった場合は、アドオンレンズは入れ替えることも可能です。もちろん、一度で済むよう綿密なカウンセリングをしっかり行い、適切なレンズを選ぶことが患者さまにとってベストなのはもちろんですが、もしもの場合にも対策がとれるということです。
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それは安心材料になりますね。
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ただし、アドオンレンズを扱っている施設はかなり限られています。また、どのような治療がベストなのか、より患者さまのニーズに細かく応えられるよう、カウンセリングに力を入れている医療機関を選ぶことで満足感の高い結果を得られると思います。