手術が怖くて白内障手術に踏み切れません。白内障は放っておくと必ず失明してしまうものなのでしょうか?
ご相談者様
白内障を治療するには手術をしなければならないと聞きました。また、放っておくと失明するとも。しかし、目を手術するのはちょっと怖くて、できれば避けたいと思っています……。手術を避ける方法はないのでしょうか?
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おっしゃる通り、白内障は手術によってのみ治療ができる病気です。失明するかどうかについてですが……、必ずしも失明するというわけではありません。
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そうなんですか!? それでは手術をしなくともいいのでしょうか!?
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いえ、決してそのようなことはありません! 白内障と診断されたら、なるべく早めに手術することをおすすめします。
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え、しかし必ず失明するわけではないのですよね?
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必ず失明するわけではありませんが、放っておくと高い確率で失明に至る可能性があるのです。例えば、世界における失明原因の中で白内障がどれだけの割合を占めているかご存じでしょうか?
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ええと、知りません。
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WHOの調査によれば、失明された方のうち51%が白内障によるものとされています。
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51%!? 半分以上も!?
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はい。一方で日本における失明原因の中で白内障が占める割合は、2007年時点の厚生労働省調査によると、3.2%です。
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ずいぶん差があるのですね?
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その理由として、世界にはまだ近代的な医療が行き渡らない地域がたくさんあることが挙げられます。日本では国民皆保険などの医療制度によって誰もが進んだ医療を受けることができるため、手術で治療できる白内障はそれほど怖い病気ではなくなりました。
ところが、世界の一部の地域においては治療することができずに放置するしかない方もたくさんいるのです。 -
なるほど、白内障は放置するしかない地域の方にとってはとても怖い病気なのですね。
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その通りです。白内障は加齢によって誰もがかかり、時間とともに進行する病気です。たとえ失明に至らなかったとしても、視力低下や見えづらい症状などで生活の質も落ちてしまいます。ですから、白内障を放置することはおすすめできません。
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たしかに、生活の質が落ちてしまうことは避けられませんよね。でも、手術が怖くて……。
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目を手術すると聞くと、ちょっと怖い気持ちになるのは仕方ないと思います。しかし、実は現在の白内障手術はとても進歩していて、わずかな切開ですみ、時間も5~10分ほどしかかからないのです。
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え、そうなんですか?
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はい。かつては角膜を大きく切開して水晶体を取り出す手術をしていましたが、現在の標準治療は水晶体を超音波で乳化して吸引して取り出します。そのための小さな器具さえ挿入できればいいので、切開創は2.4㎜程度で十分なのです。
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たったそれだけで手術ができるのですね!
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また、当院のようにレーザー白内障手術が可能なクリニックであれば、最新の機器による手術でとても高度な治療を誤差なく行うことができます。安心して手術台に寝ていれば、ちょっとまぶしいと思っているうちに手術が終わっていますよ。
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それなら怖くないかもしれません。手術へのイメージが少し変わりました。できればそのレーザー白内障手術で手術を受けたいものです。
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そうですね。レーザー白内障手術は自由診療となりますが、術後の見え方をより良いものにするためにも、多焦点眼内レンズとの組み合わせでのレーザー白内障手術をおすすめします。
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たしかに、どうせ自由診療になるのであれば、多焦点眼内レンズを使ってレーザー白内障手術を行うことがベストかもしれませんね。最新機器で手術を受けられる安心感もありますし、ぜひ検討したいと思います。色々と教えてくださってありがとうございました。